2011年度 福岡県 佐賀県 長崎県 熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県 沖縄県 登録販売者試験
午前 1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
(第1問)
医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 医薬品は、多くの場合、人体に取り込まれて作用し、効果を発現させるものである。
b) 一般用医薬品は、購入者が知りたい情報を十分に得ることができるよう、その販売に専門家の相談対応は不可欠である。
c) 一般用医薬品は、医療用医薬品ほど作用が強くないので、特に保健衛生上のリスクに注意する必要はない。
d) 一般用医薬品には、製品に添付されている文書(添付文書)や製品表示に必要な情報が記載されている。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | 正 |
(第2問)
医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 人体に対して使用されない殺虫剤は、誤って人体に曝されても人の健康に影響を与えない。
b) 医薬品は、人体にとっては異物(外来物)であるため、好ましくない反応(副作用)を生じる場合がある。
c) 医薬品が人体に及ぼす作用は、そのすべてが解明されている。
d) 医薬品は市販後にも有効性、安全性等の確認が行われる。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 |
(第3問)
WHO(世界保健機構)における副作用の定義に関する次の記述の( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
医薬品の副作用とは、『疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を( a )ために、ヒトに通常用いられる量で発現する医薬品の( b )かつ( c )反応』とされている。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正常化する | 有害 | 意図しない | |
正常化する | 有害 | 不快な | |
正常化する | 有効 | 意図しない | |
向上させる | 有効 | 意図しない | |
向上させる | 有効 | 不快な |
(第4問)
アレルギーに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 普段は医薬品にアレルギーを起こしたことがない人でも、病気等に対する抵抗力が低下している状態などの場合には、思わぬアレルギーを生じることがある。
b) カゼインは、食品にも広く使用され、動物実験でも安全性が確認されており、アレルギーを引き起こさないことが分かっている。
c) アレルギーは内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬によって引き起こされることはない。
d) アレルギー症状は、免疫機構が過敏に反応して体の各部位に生じる炎症をいう。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | 正 |
(第5問)
アレルギーに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
アレルギーは、体質的な要素はあるが、遺伝的な要素はなく、近い親族にアレルギー体質の人がいても、特に注意する必要はない。 | |
医薬品を使用してアレルギーを起こしたことがある人は、その原因となった医薬品の使用を避ける必要がある。 | |
ピロ硫酸カリウムは、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)となりえる医薬品の添加物として知られている。 | |
医薬品の中には、鶏卵や牛乳等を原材料として作られているものがあるため、それらに対するアレルギーがある人では使用を避けなければならない場合がある。 |
(第6問)
医薬品に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
医薬品を継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても定期的に健診を受けるよう、医薬品の販売等に従事する専門家から促していくことも重要である。 | |
一般用医薬品には、習慣性・依存性がある成分を含んでいるものはない。 | |
医薬品は、その目的とする効果に対して副作用が生じる危険性が最小限となるよう、使用する量や使い方が定められている。 | |
相互作用には、医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こるものと、医薬品が薬理作用をもたらす部位において起こるものがある。 |
(第7問)
医薬品の相互作用に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
一般用医薬品の購入者が医療機関で治療を受けている場合には、通常その治療が優先されることが望ましく、一般用医薬品を併用しても問題ないかどうかについて、治療を行っている医師等に確認する必要がある。 | |
複数の疾病を有する人では、疾病ごとにそれぞれ医薬品が使用されている場合が多く、医薬品同士の相互作用に関して特に注意が必要である。 | |
副作用や相互作用のリスクを減らす観点から、緩和を図りたい症状が明確である場合は、なるべくその症状にあった成分のみが配合された医薬品が選択されることが望ましい。 | |
かぜ薬とアレルギー用薬ではその成分や作用が重複することはない。 |
(第8問)
医薬品と食品との飲み合わせに関する記述のうち、正しいものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
食品との相互作用は、専ら飲み薬(内服薬)の使用に際して注意を要する。 | |
ハーブは、生薬成分が配合された医薬品の効き目や副作用を増強させることはない。 | |
カフェインを含む医薬品とコーヒーを一緒に服用しても、カフェインの過剰摂取になることはない。 | |
アルコールをよく摂取する者では、アセトアミノフェンが代謝されにくくなる。 |
(第9問)
医薬品の使用上の注意等において用いられる、年齢区分のおおよその目安に関する記述のうち、正しいものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
乳児とは2歳未満を指す。 | |
幼児とは6歳未満を指す。 | |
小児とは15歳未満を指す。 | |
高齢者とは60歳以上を指す。 |
(第10問)
小児への医薬品投与に際して注意すべき事項に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 大人と比べて身体の大きさに対して腸が短いため、服用した医薬品の吸収率が低い。
b) 肝機能が未発達であるため、医薬品の成分の代謝に時間がかかり、作用が強く出ることがある。
c) 医薬品の成分が脳に達しやすいため、中枢神経系に影響を与える医薬品で副作用を起こしやすい。
d) 医薬品によっては、小児に対して使用しないことなどの注意を促している場合がある。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 |
(第11問)
妊婦及び妊娠していると思われる女性に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 妊婦は、体の変調や不調を起こしやすいため、積極的に一般用医薬品の使用促進を図るべきである。
b) 一般用医薬品においては、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については『相談すること』としているものが多い。
c) ビタミンB6含有製剤は、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされている。
d) 便秘薬には、配合成分やその用量によっては流産や早産を誘発するおそれがあるものがある。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 |
(第12問)
プラセボ効果に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a) 通常、医薬品を使用したときにもたらされる反応や変化には、薬理作用によるもののほか、プラセボ効果によるものも含まれる。
b) プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)等が関与して生じると考えられている。
c) プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として現れることはない。
d) プラセボ効果を目的として一般用医薬品を使用することは、適正な使用といえる。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第13問)
一般用医薬品の役割に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) 重度な疾病に伴う症状
b) 殺菌消毒
c) 健康状態の自己検査
d) 生活の質(QOL)の改善・向上
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | 誤 |
(第14問)
以下のうち、WHOによるセルフメディケーションの説明として、正しいものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
患者が医師から処方された薬を指示通り正しく確実に服用し、注意事項を守ること。 | |
自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること。 | |
一人の医師の意見だけで決めてしまわずに、他の医師の意見も聞いて患者が治療法などを決めること。 | |
積極的に医療機関を受診すること。 |
(第15問)
『医薬品の販売等に従事する専門家が情報提供を行う際、購入者から確認しておきたい基本的なポイント』に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a) その医薬品を使用する人として、小児や高齢者、妊婦等が想定されるか。
b) 何のためにその医薬品を購入しようとしているのか。
c) その医薬品を使用するのは、情報提供を受けている当人か、又はその家族等が想定されるか?
d) その医薬品を使用する人が医療機関で治療を受けていないか。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 誤 | 正 |
(第16問)
スモンに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
スモンとは、亜急性脊髄視神経症のことである。 | |
スモン訴訟等を契機にして、1979年、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。 | |
スモンはその症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。 | |
スモンの原因となったキノホルム製剤は、米国では1960年になって、コレラのみに使用が制限された。 |
(第17問)
サリドマイドに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a) サリドマイドは催眠鎮静成分として承認された。
b) 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、R体のみが有する作用であるとされている。
c) 妊娠している女性がサリドマイドを摂取した場合、胎盤関門を通過して胎児に移行し、胎児に四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生することがある。
d) サリドマイドによる薬害事件は日本のみであり、世界的には問題とならなかった。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第18問)
HIV訴訟に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
HIV訴訟は、血友病患者がヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。 | |
HIV訴訟の和解を踏まえ、国は、HIV感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院の整備や治療薬の早期提供等の様々な取組みを推進してきている。 | |
製薬企業のみを被告として、1989年5月に大阪地裁、同年10月に東京地裁で提訴された。 | |
HIV感染者に対する恒久対策のほか、医薬品の副作用等による健康被害の再発防止に向けた取組みも進められ、製薬企業に対し従来の副作用報告に加えて感染症報告の義務づけ等を含む、改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。 |
(第19問)
クロイツフェルト・ヤコブ病に関する次の記述の( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。
クロイツフェルト・ヤコブ病は( a )の一種であるプリオンが原因とされ、プリオンが脳の組織に感染し、次第に( b )に類似した症状が現れ、死に至る重篤な( c )である。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
ウイルス | 認知症 | 膠原病(こうげんびょう) | |
ウイルス | 髄膜炎 | 膠原病(こうげんびょう) | |
蛋白質 | 認知症 | 膠原病(こうげんびょう) | |
蛋白質 | 認知症 | 神経難病 | |
蛋白質 | 髄膜炎 | 神経難病 |
(第20問)
高齢者に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
番号 | 解答 |
---|---|
一般に高齢者は生理機能が衰えつつあり、若年時と比べて副作用を生じるリスクは高くなる。 | |
高齢者は、喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱っている場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすいので、注意が必要である。 | |
高齢者は、医薬品の使用経験が豊かなので、情報提供や相談対応に特段の配慮は要しない。 | |
高齢者は、基礎疾患を抱えていることが多く、一般用医薬品の使用によって、基礎疾患の症状が悪化する場合がある。 |