2015年度 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 登録販売者試験
午前 2章 人体の働きと医薬品
(第1問)
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 消化液に含まれる消化酵素の作用によって飲食物を分解することを化学的消化という。
b) 消化管は、口腔から大腸まで続く管である。
c) 唾液には、消化酵素の他にリゾチーム等の殺菌・抗菌物質が含まれている。
d) 膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給を担っている。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 |
(第2問)
肝臓に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 肝臓は、腹腔内で最も大きい臓器であり、横隔膜の直下に位置する。
b) アミノ酸が分解された場合等に生成するアンモニアは、肝臓において酢酸へと代謝される。
c) アルコールによる二日酔いの症状は、肝臓で代謝され生じた中間代謝物である尿素の毒性によるものと考えられている。
d) 肝臓は、脂溶性ビタミンを貯蔵することはできるが、水溶性ビタミンを貯蔵することはできない。
番号 | a | b | c | d |
---|---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | 正 |
(第3問)
胃から分泌される消化酵素に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。なお、2箇所の( a )、( b )内にはどちらも同じ字句が入る。
胃の内壁の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃酸のほか( a )などを分泌している。( a )は胃酸によって、タンパク質を消化する酵素である( b )となり、胃酸とともに胃液として働く。タンパク質が( b )によって半消化された状態を( c )という。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
ペプシノーゲン | ペプシン | ペプトン | |
ペプシン | ペプシノーゲン | ペプトン | |
ペプトン | ペプシノーゲン | ペプシン | |
ペプシノーゲン | ペプトン | ペプシン | |
ペプトン | ペプシン | ペプシノーゲン |
(第4問)
呼吸器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 呼吸器は常時外気と接触する器官であり、様々な異物、病原物質の侵入経路となるため、幾つもの防御機構が備わっている。
b) 咽頭は、発声器としての役割もあり、呼気で咽頭上部にある声帯を振動させて声が発せられる。
c) 喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管支という。
d) 肺胞の壁は非常に薄くできていて、周囲を毛細血管が網のように取り囲んでいる。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( c , d ) |
(第5問)
血管系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 血液が血管中を流れる方向は一定しており、心臓から拍出された血液を送る血管を動脈という。
b) 血漿中の過剰なコレステロールが血管の内壁に蓄積しても、動脈の弾力性は損なわれない。
c) 四肢を通る静脈では、一定の間隔をおいて内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達して血液の逆流を防いでいる。
d) 毛細血管の薄い血管壁を通して、二酸化炭素と栄養分が血液中から組織へ運び込まれ、それらと交換に酸素や老廃物が組織から血液中へ取り込まれる。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( c , d ) |
(第6問)
循環器系等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 白血球の約60%を占める単球は、細菌、ウイルス等の異物に対する抗体を産生する。
b) 血小板は、損傷した血管からの血液の流出を抑える仕組みにおいて重要な役割を担っている。
c) リンパ液の流れは主に骨格筋の収縮によるものであり、流速は血流に比べて緩やかである。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 |
(第7問)
腎臓及び尿路に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 尿管が小さな球状になったものを糸球体といい、糸球体の外側を袋状のボウマン嚢が包み込んでいる。
b) 男性は女性と比べて尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。
c) 腎小体では、血液中の老廃物が濾過され、原尿として尿細管へ入る。
d) 食品から摂取あるいは体内で生合成されたビタミンDは、腎臓で活性型ビタミンDに転換される。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第8問)
目、鼻、耳などの感覚器官に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 眼球は、頭蓋骨のくぼみ(眼窩)に収まっている球形の器官で、外側は、正面前方付近(黒目の部分)のみ透明な強膜が覆っている。
b) 鼻腔は、薄い板状の軟骨と骨でできた鼻中隔によって左右に仕切られている。
c) 中耳は、外耳と内耳をつなぐ部分で、鼓膜、鼓室、前庭、蝸牛からなる。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第9問)
外皮系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 皮膚の主な機能は、身体の維持と保護、体水分の保持、熱交換、外界情報の感知である。
b) 皮膚は、表皮、皮下組織の2層構造からなり、表皮は外側にある角質層と生きた表皮細胞の層に分けられる。
c) メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
d) 汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の2種類があり、アポクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( c , d ) |
(第10問)
骨格系、筋組織に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)は、骨が成長するまで繰り返され、成長した後は停止する。
b) 胸骨は、造血機能を担う骨の一つである。
c) 平滑筋は、自分の意識どおりに動かすことができる随意筋である。
d) 筋組織は筋細胞と結合組織からできているのに対して、腱は結合組織のみでできている。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第11問)
脳に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。
脳では、細胞同士が複雑かつ活発に働くため、脳におけるブドウ糖の消費量は全身の約( a )、酸素の消費量は全身の約( b )、血液の循環量は心拍出量の約( c )を占める。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
25% | 20% | 50% | |
25% | 60% | 50% | |
25% | 20% | 15% | |
75% | 60% | 50% | |
75% | 20% | 15% |
(第12問)
中枢神経系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 脊髄には、心拍数を調節する心臓中枢、呼吸を調節する呼吸中枢がある。
b) 脳の血管は、末梢に比べて物質の透過に関する選択性が低く、タンパク質などの大分子や小分子でもイオン化した物質は血液中から脳の組織へ移行しやすい。
c) 小児では、血液脳関門が未発達であるため、循環血液中に移行した医薬品の成分が脳の組織に達しやすい。
d) 脊髄は、脊椎の中にあり、脳と末梢の間で刺激を伝えるほか、末梢からの刺激の一部に対して脳を介さずに刺激を返す場合があり、これを脊髄反射と呼ぶ。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第13問)
自律神経系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 通常、交感神経系と副交感神経系は、互いに拮抗して働き、一方が活発になっているときには他方は活動を抑制して、効果を及ぼす各臓器・器官(効果器)を制御している。
b) 概ね、交感神経系は体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働き、副交感神経系は体が食事や休憩等の安息状態となるように働く。
c) エクリン腺を支配する交感神経線維の末端では、例外的にアセチルコリンが神経伝達物質として放出される。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 誤 |
(第14問)
医薬品の作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 医薬品の作用には、有効成分が消化管などから吸収されて循環血液中に移行し、全身を巡って薬効をもたらす全身作用と、特定の狭い身体部位において薬効をもたらす局所作用とがある。
b) 循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する受容体、酵素、トランスポーターなどのタンパク質と結合し、その機能を変化させることで薬効や副作用を現す。
c) 皮膚に適用する医薬品(塗り薬、貼り薬等)は、通常、皮膚表面から循環血液中へ移行する有効成分の量が比較的少ないため、適用部位の面積(使用量)や使用回数、その頻度などにかかわらず全身作用が現れることはない。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 |
(第15問)
医薬品の有効成分の吸収に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品成分を取り込むのではなく、濃度の高い方から低い方へ受動的に拡散していく現象である。
b) 消化管内での有効成分の吸収量や吸収速度は、消化管内容物や他の医薬品の作用による影響を受けない。
c) 肛門から挿入する坐剤は、直腸内で溶解し、薄い直腸内壁の粘膜から有効成分を吸収させるというものである。
d) 口腔粘膜から吸収された医薬品の成分は、初めに肝臓で代謝を受けてから全身に分布する。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第16問)
医薬品の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 循環血液中に移行した医薬品の有効成分は、主として肝細胞の薬物代謝酵素によって代謝を受ける。
b) 多くの医薬品の有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しており、その複合体は腎臓で濾過されないため、医薬品の有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。
c) 循環血液中に移行した医薬品の有効成分は、体内を循環するうちに徐々に代謝を受けて、体外へ排泄されやすい脂溶性の物質に変化する。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第17問)
医薬品の作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 医薬品の使用量や使用間隔を定める場合、年齢や体格による個人差は考慮されていない。
b) 薬効よりも毒性が強く現れる有効成分の血中濃度域を無効域という。
c) 医薬品が摂取された後、その有効成分の血中濃度が上昇し、ある最小有効濃度(閾値)を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 |
(第18問)
医薬品の剤型に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 錠剤(内服)は、胃や腸で崩壊し、有効成分が溶出することが薬効発現の前提となるため、例外的な場合を除いて、口中で噛み砕いて服用してはならない。
b) 経口液剤は、固形製剤に比べ、飲み込みやすいが、消化管からの吸収は比較的遅い点が特徴である。
c) カプセル剤は、水なしで服用するとカプセルの原材料であるゼラチンが喉や食道に貼り付くことがある。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 |
(第19問)
皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)及び中毒性表皮壊死融解症(TEN)に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる。
b) 中毒性表皮壊死融解症は、広範囲の皮膚に発赤が生じ、全身の10%以上に火傷様の水疱、皮膚の剥離、びらん等が認められるが、発熱はない。
c) 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症はいずれも、発症機序が解明されており、発症を予測することは可能となっている。
d) 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症のいずれも発生は非常にまれであるとはいえ、一旦発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがある。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第20問)
医薬品の副作用として現れる症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 黄疸とは、グロブリンが胆汁中へ排出されず血液中に滞留することにより生じる、皮膚や白眼が黄色くなる病態である。
b) 偽アルドステロン症は、体内にカリウムと水が貯留し、体からナトリウムが失われることによって生じる病態である。
c) 無菌性髄膜炎は、多くの場合、発症は急性で、首筋のつっぱりを伴った激しい頭痛、発熱、吐きけ・嘔吐、意識混濁等の症状が現れる。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
誤 | 誤 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 |