2016年度 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 登録販売者試験
午前 2章 人体の働きと医薬品
(第1問)
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 口腔内は、唾液によってpHがほぼ中性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いでいる。
b) 炭水化物主体の食品の胃内での滞留時間は、脂質分の多い食品に比べて長い。
c) 小腸において、炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 |
(第2問)
肝臓に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。
b) 肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、水溶性ビタミンであるビタミンB6やB12等の貯蔵臓器である。
c) アルコールは、肝臓へと運ばれて一度酢酸に代謝されたのち、さらに代謝されてアセトアルデヒドとなる。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 |
(第3問)
呼吸器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 鼻腔の入り口(鼻孔)にある鼻毛は、空気中の塵、埃等を吸い込まないようにするフィルターの役目を果たしている。
b) 扁桃は、リンパ組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。
c) 喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を肺胞という。
d) 肺胞は、異物や細菌が侵入してきたときのために粘液層や線毛によって保護されている。
番号 | a | b | c | d |
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正 | 正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 |
(第4問)
心臓及び血管系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれており、心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出する。
b) 心臓から拍出された血液を送る血管を動脈、心臓へ戻る血液を送る血管を静脈という。
c) 静脈にかかる圧力は比較的高いため、血管壁は動脈よりも厚い。
d) 心臓が弛緩したときの血圧を最大血圧、心臓が収縮したときの血圧を最小血圧という。
番号 | a | b | c | d |
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正 | 正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 |
(第5問)
血液及びリンパ系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。
b) 赤血球の数が少なすぎたり、赤血球中のヘモグロビン量が欠乏したりすると、血液は酸素を十分に供給できず、疲労や血色不良などの貧血症状が現れる。
c) 細菌による感染や炎症などが起きると、白血球全体の数が増加するとともに、白血球の種類ごとの割合も変化する。
d) リンパ管には逆流防止のための弁がなく、リンパ液は双方向に流れている。
番号 | a | b | c | d |
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正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | 正 |
(第6問)
泌尿器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。
b) 腎臓は、血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調節が行われており、血液の量と組成を維持して、血圧を一定範囲内に保つ役割を担う。
c) 女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。
d) 男性は加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。
番号 | a | b | c | d |
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正 | 正 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 |
(第7問)
感覚器官(目、鼻及び耳)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みが増す。
b) 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。
c) 聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭は、いずれの内部もリンパ液で満たされている。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第8問)
外皮系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。
b) 角質層は、表皮に存在し、皮膚のバリア機能を担っている。
c) メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。
d) 精神的緊張による発汗は、全身の皮膚に生じる。
番号 | a | b | c | d |
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正 | 正 | 正 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | 正 |
(第9問)
骨格系及び筋組織に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。
b) 骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)は、骨が成長するまで繰り返され、成長した後は停止する。
c) 骨格筋と平滑筋は、自分の意識どおり動かすことができる随意筋である。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 |
(第10問)
末梢神経系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 末梢神経系は、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、呼吸や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。
b) 交感神経系は、体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働くため、心臓に対しては心拍数を増加させ、胃に対しては胃液分泌を亢進させる。
c) 交感神経系が活発になると瞳孔は収縮し、副交感神経系が活発になると瞳孔は散大する。
d) 局所(腋窩等)に分布するアポクリン腺を支配する交感神経線維の末端ではノルアドレナリンが神経伝達物質として放出される。
番号 | 解答 |
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( a , b ) | |
( a , d ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第11問)
医薬品の吸収に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 一般に、消化管からの吸収は、消化管が積極的に医薬品成分を取り込む現象である。
b) 鼻腔粘膜への局所作用を目的とした点鼻薬であっても、その成分が循環血液中に移行して、全身性の副作用を生じることがある。
c) 皮膚吸収の場合、血液中に移行した有効成分は、肝臓で代謝を受けた後に血流に乗って全身に分布する。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第12問)
医薬品の有効成分の代謝及び排泄に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 循環血液中に移行した多くの医薬品の有効成分は、血液中で血漿タンパク質と結合して複合体を形成しており、複合体を形成している有効成分の分子は、薬物代謝酵素の作用によって速やかに代謝される。
b) 循環血液中に存在する医薬品の有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。
c) 肝機能が低下した人では、正常な人に比べて全身循環に到達する医薬品の有効成分の量がより多くなり、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第13問)
医薬品の剤形に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
a) 口腔内崩壊錠は、薬効を期待する部位が口の中や喉であるものが多く、飲み込まずに口の中で舐なめて、徐々に溶かして使用する。
b) 顆粒剤は、粒の表面がコーティングされているものもあるので、噛み砕かずに水などで食道に流し込む。
c) 一般的には、クリーム剤は患部を水から遮断したい場合に用い、軟膏剤は患部を水で洗い流したい場合に用いることが多い。
d) スプレー剤は、有効成分を霧状にする等して局所に吹き付ける剤形であり、手指等では塗りにくい部位や、広範囲に適用する場合に適している。
番号 | 解答 |
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( a , b ) | |
( a , c ) | |
( b , c ) | |
( b , d ) | |
( c , d ) |
(第14問)
ショック(アナフィラキシー)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) ショックは、生体異物に対する即時型のアレルギー反応の一種である。
b) 一般に、顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚の痒み、むくみ(浮腫)、吐きけ、顔面蒼白等の複数の症状が現れる。
c) ショックは、原因物質によって発生頻度は異なり、医薬品の場合、以前にその医薬品の使用によって蕁麻疹等のアレルギーを起こしたことがある人では、起きる可能性は低い。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第15問)
皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 皮膚粘膜眼症候群は、38℃以上の高熱を伴って、発疹・発赤、火傷様の水疱等の激しい症状が、比較的短時間のうちに全身の皮膚、口、眼等の粘膜に現れる病態である。
b) 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症は、共に発症機序の詳細は不明であり、発症の予測は困難である。
c) 皮膚粘膜眼症候群は、ライエル症候群とも呼ばれており、発生頻度は、人口100万人当たり年間0.4~1.2人と報告されている。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第16問)
医薬品の副作用として現れる肝機能障害に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 主な症状は、全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等である。
b) 黄疸は、ビリルビン(黄色色素)が血液中へ排出されず、胆汁中に滞留することにより生じる。
c) 医薬品の副作用として現れる肝機能障害は、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに限定される。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第17問)
医薬品の副作用として現れる消化性潰瘍及びイレウス様症状に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 消化性潰瘍では、胃のもたれ、食欲低下、胸やけ、吐きけ、胃痛、空腹時にみぞおちが痛くなる、消化管出血に伴って糞便が黒くなるなどの症状が現れる。
b) 消化性潰瘍では、自覚症状が乏しい場合もあり、貧血症状(動悸や息切れ等)の検査時や突然の吐血・下血によって発見されることもある。
c) イレウス様症状は、小児や高齢者のほか、普段から下痢傾向のある人に発症のリスクが高い。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 |
(第18問)
医薬品の副作用として現れる間質性肺炎に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 間質性肺炎は、肺の中で肺胞と毛細血管を取り囲んで支持している組織(間質)が炎症を起こしたものである。
b) 間質性肺炎は、通常、原因となる医薬品の使用開始から1~2日間程度で発症する。
c) 間質性肺炎の症状は、かぜや気管支炎の症状との区別が難しいこともある。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第19問)
医薬品の副作用として現れる喘息に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
a) 合併症を起こさない限り、原因となった医薬品の有効成分が体内から消失すれば症状は寛解する。
b) 内服薬だけでなく、坐薬や外用薬でも誘発されることがある。
c) 原因となる医薬品を使用後、一般に1~2週間程度で起きることが多い。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 |
(第20問)
眼に現れる医薬品の副作用に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。なお、2箇所の( b )内にはどちらも同じ字句が入る。
抗コリン作用を有する( a )を配合した医薬品を使用した場合、眼圧が( b )し、眼痛や眼の充血に加え、急激な視力低下を来すことがある。特に( c )がある人では厳重な注意が必要である。眼圧の( b )に伴って、頭痛や吐きけ・嘔吐等の症状が現れることもあり、長時間放置すると、不可逆的な視覚障害を起こすことがある。
番号 | a | b | c |
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フルスルチアミン塩酸塩 | 上昇 | 緑内障 | |
フルスルチアミン塩酸塩 | 下降 | 白内障 | |
ブチルスコポラミン臭化物 | 上昇 | 白内障 | |
ブチルスコポラミン臭化物 | 下降 | 緑内障 | |
ブチルスコポラミン臭化物 | 上昇 | 緑内障 |