2018年度 大阪府 登録販売者試験
午前 1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識
(第1問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品は本来、人体にとっては異物(外来物)である。
b) 医薬品が人体に及ぼす作用は複雑かつ多岐に渡り、医療用医薬品についてはそのすべてが解明されていないが、一般用医薬品については、そのすべてが解明されており、期待される有益な効果(薬効)のみをもたらす。
c) 一般用医薬品は、医療用医薬品に比べて安全性が高いので、市販後に、新たな知見等に基づき、その有効性、安全性等の確認が行われる仕組みは設けられていない。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第2問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品は、少量の投与でも長期投与されれば慢性的な毒性が発現する場合がある。
b) 医薬品の効果とリスクは、薬物曝露時間と曝露量との積で表現される用量-反応関係に基づいて評価される。
c) 医薬品の安全性の基準については、製造販売後の調査及び試験の実施の基準としてGood Vigilance Practice(GVP)と、製造販売後安全管理の基準としてGood Post-marketing Study Practice(GPSP)が制定されている。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第3問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品を扱う者は、いわゆる健康食品は法的にも、また安全性や効果を担保する科学的データの面でも医薬品とは異なるものであることを認識し、消費者に指導・説明を行わなくてはならない。
b) 健康補助食品(いわゆるサプリメント)の中にはカプセル、錠剤等の医薬品と類似した形状で発売されているものも多く、誤った使用法により健康被害を生じた例も報告されている。
c) 機能性表示食品は、疾病に罹患している者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨を表示するものである。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第4問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) WHO(世界保健機関)の定義によれば、医薬品の副作用とは、「疾病の予防、診断、治療のため、又は身体の機能を正常化するために、人に通常用いられる量で発現する医薬品の有害かつ意図しない反応」とされている。
b) 医薬品の副作用は、薬理作用によるものをいい、アレルギー(過敏反応)によるものは含まない。
c) 医薬品の副作用は、血液や内臓機能への影響等のように、直ちに明確な自覚症状として現れないこともある。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第5問)
医薬品によるアレルギー(過敏反応)に関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品のアレルギーは、内服薬によって引き起こされるものであり、外用薬によって引き起こされることはない。
b) アレルギーには遺伝的な要素もあり、近い親族にアレルギー体質の人がいる場合には、医薬品の使用の際に注意が必要である。
c) 基本的に薬理作用がない添加物は、アレルギーを引き起こす原因物質(アレルゲン)とはならない。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第6問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 疾病の根本的な治療がなされないまま、一般用医薬品を使用して症状を一時的に緩和する対処を漫然と続けていても、有害事象を招く危険性が増すことはない。
b) 医薬品の販売等に従事する専門家は、必要以上に大量購入などを試みる不審な購入者等に対しては慎重に対処する必要がある。
c) 一般用医薬品には、習慣性・依存性のある成分を含んでいるものがあり、それらの医薬品が乱用されることがあるので、注意が必要である。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第7問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品の相互作用とは、複数の医薬品を併用したときに、医薬品の作用が増強する場合であって、作用が減弱する場合には相互作用とは言わない。
b) 相互作用は、医薬品が吸収、代謝、分布又は排泄される過程で起こり、医薬品が薬理作用をもたらす部位では起こらない。
c) 相互作用を回避するには、通常、ある医薬品を使用している期間やその前後を通じて、その医薬品との相互作用を生じるおそれのある医薬品や食品の摂取を控えなければならない。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第8問)
次のa~cの( )に入る字句の正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
アルコールは、主として肝臓で( a )されるため、酒類(アルコール)をよく摂取する者では、その( a )機能が( b )ことが多い。その結果、アセトアミノフェンでは、( c )ことがある。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
代謝 | 高まっている | 作用が強く出過ぎる | |
消化 | 低下している | 作用が強く出過ぎる | |
代謝 | 高まっている | 十分な薬効が得られなくなる | |
代謝 | 低下している | 十分な薬効が得られなくなる | |
消化 | 高まっている | 十分な薬効が得られなくなる |
(第9問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 一般的に、5歳未満の幼児に使用される錠剤の医薬品では、服用時に喉につかえやすいので注意するよう添付文書に記載されている。
b) 小児は、大人と比べて身体の大きさに対して腸が短く、服用した医薬品の吸収率が相対的に低い。
c) 乳児の疾患においては、基本的には医師の診療を受けることが優先され、一般用医薬品による対処は最小限にとどめるのが望ましい。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第10問)
高齢者に関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として70歳以上を「高齢者」としている。
b) 基礎体力や生理機能の衰えの度合いは個人差が大きく、年齢のみから一概にどの程度医薬品の副作用を生じるリスクが増大しているかを判断することは難しい。
c) 医薬品の副作用で口渇を生じた場合、誤嚥(食べ物等が誤って気管に入り込むこと)を誘発しやすくなる。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第11問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) ビタミンA含有製剤のように、妊娠前後の一定期間に通常の用量を超えて摂取すると胎児に先天異常を起こす危険性が高まるとされているものがある。
b) 一般用医薬品において、多くの場合、妊婦が使用した場合における安全性に関する評価が困難であるため、妊婦の使用については「相談すること」としているものが多い。
c) 授乳婦が使用した医薬品の成分が乳汁中に移行することはない。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 正 | 誤 |
(第12問)
医療機関で治療を受けている人等が一般用医薬品を使用する場合、配慮しなければならないことに関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与える要因となることがある。
b) 登録販売者は医療機関・薬局で交付された薬剤を使用している人に対し、一般用医薬品との併用の可否について、その薬剤を処方した医師若しくは歯科医師又は調剤を行った薬剤師に相談するよう説明する必要がある。
c) 医療機関での治療は特に受けていない場合であっても、医薬品の種類や配合成分等によっては、特定の症状がある人が使用するとその症状を悪化させるおそれがある。
番号 | a | b | c |
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正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第13問)
プラセボ効果について、次のa~cの( )に入る字句の正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に( a )によらない作用を生じることをプラセボ効果(( b )効果)という。プラセボ効果は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による( c )な変化等が関与して生じると考えられている。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
薬理作用 | 偽薬 | 自然発生的 | |
生理作用 | 相乗 | 人為的 | |
薬理作用 | 偽薬 | 人為的 | |
生理作用 | 偽薬 | 自然発生的 | |
薬理作用 | 相乗 | 自然発生的 |
(第14問)
医薬品の品質に関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 医薬品は、高温や多湿によって品質の変化を起こしやすいものが多いが、光(紫外線)による劣化はない。
b) 一般用医薬品は、購入後すぐに使用されるとは限らず、家庭における常備薬として購入されることも多いことから、外箱等に記載されている使用期限から十分な余裕をもって販売等がなされるべきである。
c) 表示された「使用期限」は、開封の有無にかかわらず品質が保持される期限である。
番号 | a | b | c |
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誤 | 誤 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第15問)
一般用医薬品の販売時に登録販売者が留意するべき事項に関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 購入者等に対して常に自己の経験だけに基づいた正確な情報提供を行い、セルフメディケーションを適切に支援していくことが期待されている。
b) 激しい腹痛があるなど、症状が重いときでも、まず、一般用医薬品を使用して症状の緩和を図るよう勧める必要がある。
c) 一般用医薬品で対処可能な症状等の範囲は、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくることに留意される必要がある。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第16問)
一般用医薬品の販売時に行うコミュニケーションに関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 情報提供は、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているかなどの実情を把握しながら行うことにより、その実効性が高まる。
b) 購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しい場合には、コミュニケーションを図る必要はない。
c) 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することが重要である。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
誤 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
正 | 誤 | 正 |
(第17問)
次のa~dの記述について、正しいものの組み合わせを下の1~5から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。
b) サリドマイドは、副作用として血管新生を促進する作用があった。
c) 日本では、サリドマイド製剤の催奇形性について海外から警告が発せられた後、直ちに出荷停止、回収措置がとられた。
d) サリドマイドによる薬害事件は、世界的に問題となったため、WHO(世界保健機関)加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。
番号 | 解答 |
---|---|
( a , b ) | |
( a , c ) | |
( a , d ) | |
( b , d ) | |
( b , c ) |
(第18問)
次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) スモン訴訟は、解熱鎮痛薬として販売されたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(スモン)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。
b) スモンはその症状として、激しい腹痛を伴う下痢、下半身の痺れ、歩行困難等が現れるが、麻痺が上半身に拡がることはない。
c) スモン訴訟を契機の一つとして、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 正 | 誤 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第19問)
HIV訴訟を契機としたHIV感染者に対する恒久対策及び医薬品の安全対策に関する次のa~cの記述の正誤について、正しい組み合わせを下表から一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
a) 献血時の問診の充実が図られた。
b) エイズ治療研究開発センターが整備された。
c) 製薬企業に対し、従来の副作用報告に加えて感染症報告が義務づけられた。
番号 | a | b | c |
---|---|---|---|
正 | 正 | 正 | |
正 | 誤 | 正 | |
誤 | 誤 | 正 | |
正 | 誤 | 誤 | |
誤 | 正 | 誤 |
(第20問)
次の1~5の記述について、誤っているものを一つ選び、その番号を解答用紙に記入しなさい。
※ CJDとはクロイツフェルト・ヤコブ病をいう。
番号 | 解答 |
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CJD訴訟は脳外科手術等に用いられたウシ乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。 | |
CJDは、タンパク質の一種であるプリオンが原因であるとされている。 | |
CJD訴訟は、国、輸入販売業者及び製造業者を被告として提訴された。 | |
CJD訴訟は、生物由来製品による感染等被害救済制度が創設される契機の一つとなった。 | |
CJD訴訟の和解を踏まえて、CJD患者の入院対策・在宅対策の充実等の措置が講じられるようになった。 |